今回は、須恵器の杯身を測りました。接地側は当然測れませんので、上下を反転して2回測り、後で合成する作戦。
メーカーのWebサイト見ても測定原理がよくわからないのは大減点なんですが(おいらが英語読めてないから?)、モアレ法+白色レーザー三角法のハイブリッドかなと思います。だと、屋外には弱い。距離とか計測範囲とか精度を考えると、考古学なら遺物の計測に丁度いいのかなというところです。
勿論、出来なくはない、ですが、昔某山口県の古墳を三角法で測られていた現場をお邪魔した時は暑い中で遮光シート何枚も重ねて大暑訓練かよこれ、ってのとか、山中の中世墓地に思い付きで行ったものの暗くなるまで測れずに測っておっしゃ!と思ったら懐中電灯が無くてパソコンの画面の明るさで下山とか、ロクな経験が無いので、やはり場所と技術は考えましょう、って感じですな。
計測が終わると、計測を続けるか、終了して初期の画面に戻るのかという選択が出ますので、終わったら初期画面に。
計測成果の一覧を表示するアイコンがあるので、それを表示すると、そこでモデルをグリグリ回せます。すご。それから、ARだのGameだの書いてあるアイコンもあるんですが、こちらは今度試します。
今回は三次元モデルの書き出しを選択。PLYかSTLの選択肢が出てくるので、今回はPLYを選択。
出力したファイルを編集します。今回はMeshlabで任意点での位置合わせをした後、ICPアルゴリズムで更に詳細な位置合わせをしました。
出来たデータをGigameshで表示。なかなかいい感じ。
SfM-MVSで作成したモデルと比べても、一見差が無いように思います。角度によっては死角で蹴られてしまう部分の点間が粗くなることがありますが、これはどのレーザースキャナーや画像からの手法を使っても同じ。この部分を調整して2回目の成果になります。
SfM-MVSで以前に取得したデータを忘れてきたので、また今度示しますが、現状使用するデータとしては十分かなと。
さて、結構残念な結果に終わるこの手のテストなのですが、このスキャナーはなかなかのものと思います。対遺構というレベルでは色々あるのですが、対遺物についてはなかなか満足できるものは少ないので…。
ただ、勿論、色々問題もあります。例えば。
・タッチの際にスキャナーの位置が動く
・計測部分が剥き出しで傷などが入りやすそう
・縦方向はスキャナーを正対できない
・点群処理を全てタブレットでおこなうのでそこそこ時間がかかる
・バッテリーの持ちが不安
・すぐ熱くなって暴走しそう
あたりは注意がいるかもしれません。特に、点群処理はよくぞここまでARMでやるなという感心する反面、やはり得意な所は得意なところに担当を、という点や、熱やバッテリーは耐久性という点でも問題ありそうです。
ここでは、主に整理事務所などでの土器をどんどん測ることを想定していますので、やはりコンピューターに付けて計測する機器の方が効率的かなと思います。
しかし
・軽い
・セットアップが早い
・ターンテーブルなどの付属品がなかなか出来が良い
・気軽に使える
という点では、なかなかではないかと思います。
調査旅行の補助機としてはいいかな。
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