ねこやま考古

まだ残っているものがあるかもしれない

手に入れてみた 試行錯誤

廉価型レーザースキャナーTanso S1を試す(その1)

今や、SfM-MVS全盛の感がある私の周囲でありますが。

便利に測れりゃなんでもいい。

という個人的な考えは、変わらない訳です。正直、一番安くて早くて欲しい情報取れれば、何でもいいですし、シンプルな方がいい。出来れば、面倒なことはやりたくない。

という訳で、相変わらず色々物色しているのですが。

SfM-MVSも、どんどん要求が高くなると、処理量も膨大になっていくので、結構な投資になったりします。ラジコンがどんどん高度になって、子供が遊べなくなったのを残念に思ったタミヤの社長さんがミニ四駆作ったっていう話(伝説?)あるじゃないですか。あんな感じ。勿論、どんどんいいものになっていくのは嬉しいのですし、そういう道具立てが文化財をよりよく記録し、残し、また活用するために認められていくことが大事だし、裾野が広がってそういった計測が当たり前になれば、計測の専門家が活躍できるようになっていくのだと思うのですが、目的によってはそこまで要らないんじゃ、ということもありますよね。

SfM-MVSの良いソフトウェアが出てくる前は、レーザースキャナーが注目をされていました。もう10年以上前の話。
とはいえ、ほとんどの機械は高級車買えちゃう感じだったのですが、廉価型のものも出てきたのを盛り上がって、仲間と本まで作りました(宣伝!)。
http://www.iwata-shoin.co.jp/bookdata/ISBN978-4-87294-628-4.htm
多分、珍しかったので、京都での国際学会でも評価していただきました(自慢!!)
http://www.close-range.com/docs/CIPA_Heritage_Documentation_Series_1__2007-9_Best_Practices.pdf

特に遺物、土器の計測については、量をこなさなくてはいけないこともあって、実際に始めると、課題になってくるのは処理時間。ここの所、ガンガン測りたおすプロジェクトに加えていただいているのですが、計測したらすぐに点群が取得できるスキャナーに比べて、やはりSfM-MVSはまだ改良が必要な気がします。確認できないで次やるのはつらい。

ということで、最近、気になる道具がいくつか増えてきている訳ですが、これらを人柱的にするのは、当方の役割なんじゃないかと(おい)。

ということで、今回は一番ぶっ飛んでいるであろうこいつをテストします。
https://www.revopoint3d.com/portable-3d-scanner-tanso-s1/

うーん。怪しい。
発注の時に、研究室のMさんから「これ詐欺サイトとか大丈夫ですか」と不安げに言われたのが肯ける感じですな。

で、
タブレット付きスキャナーで、コンピューター不要。しかも超小型。
ターンテーブルもついちゃうし、マーカーつけてフリーハンドの計測まで出来ちゃう。
が売りという。計測精度0.1㎜、点間0.1-0.5㎜。

うーん、怪しい(メーカーさんすみません)。販売価格19万円弱。個人では買えないけど、仕事ではなんとか手が出せそうな価格帯。

で、昨日夕刻、いきなり届きました。小さい箱で。なんだこりゃ、と思って開けたら、スキャナー。ええ?こんな小さいの。

うーん、あや(しつこいので略)。

でも、よくあるイメージの中華の怪しい箱でもなく、しっかりした箱に入っていました。リボンは謎ですが。早速開けて、試してみましたが…。次回にご期待ください。

タブレット側面から色々飛び出す無茶な奴

追伸:あ、多分多くの人が混乱しそうなのでお伝えしますが、バッテリーが放電しまくっていることが多いので、充電を30分くらいして(USB-C端子で5V給電)からスイッチを長押ししてください。はじめ、うんともすんとも言わないので、これは初期不良か!と思ったのですが、マニュアルに充電しろって書いてます。

追伸2:もひとつ。マニュアルには側面にある小さな端子に電源供給用、USBはデータ出力用、と書いてあるのですが、USBで給電できますし、電源用のケーブルは付いていません。あーややこし。

その2に続く

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